目次定年・退職をめぐる知識と実務>定年とは

第13章 定年・退職をめぐる知識と実務

 

 定年制は,あらかじめ一定の年齢を定め,労働者がその年齢に達したら原則として退職させる(雇用契約を終了させる)制度です。
 わが国の定年制は,終身雇用制や年功序列制といった日本的人事管理の下に,大正から昭和にかけて確立されました。定年制が今日のように一般 化した背景には,高年齢者を第一線から退かせ若年者を採用することにより,賃金負担の軽減や組織の活性化に多大の効果 をもたらすという面があるからです。従業員の高齢化に歯止めをかけ,人事ローテーションを自動的・機械的に行うにあたって,定年制は非常に便利な制度といえるでしょう。
sankaku定年解雇と定年退職
 定年制は,定年解雇制と定年退職制に大別することができます。定年解雇制は,定められた定年年齢に達した従業員をそのことのみをもって解雇することができる制度です。これに対し,定年退職制は,従業員が定年年齢に達した場合に解雇や退職の意思表示を行うことなく,自動的に雇用関係が終了するものです。
 一般に「社員は満○歳に達した日以後最初に到来する賃金締切日をもって定年退職とする」といった就業規則の定めは定年退職制に当たり,別 段解雇の意思表示を要するわけではありませんから,労基法第19条の解雇制限や同第20条の解雇予告の規定の適用を受けることはありません。しかしながら,「ただし,会社において特に必要と認めたときは,嘱託として再雇用することがある」というような定めをしている場合には,定年解雇制に当たるとみなされる可能性があります。定年解雇制ということになると,定年に達した時に解雇の意思表示が必要で,解雇制限や解雇予告に関する規定の適用を受けることになります。
 定年退職制と認められるためには,次のような要件を満たしていることが必要とされます。
1 就業規則上,雇用関係が自動的に終了することが明らかであること
2 慣行としても例外的取扱いがないこと
3 上記について,従業員に周知徹底されていること
sankaku定年の決め方
 定年の決め方には,職種や資格等級にかかわりなく,全従業員一律に決める「一律定年制」,職種別に決める「職種別定年制」,資格等級別に決める「資格別定年制」などがあります。このうち,最も広く普及しているのが一律定年制です(図表1参照)。
 定年年齢については,高年齢者雇用安定法(正式には「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」という)の規定(第8条)により,60歳以上とすることが義務づけられています。ただし,高年齢者が従事することが困難であるとして厚生労働省令で定められた業務(坑内作業など)に従事する労働者については,60歳未満でも構いません。
 なお,65歳未満の定年を定めている事業主は,平成18年4月以降,次のいずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)を講じなければなりません。
@ 定年の引上げ
A 継続雇用制度の導入
B 定年の定めの廃止
 就業規則に定年制を定める場合には,単に定年年齢を記載するだけでは不十分で,退職日がいつになるのかを明らかにしておかなければなりません。定年退職日の決め方としては,次に掲げるような日としている例が一般的です。
1 本人の誕生日
2 本人の誕生日の属する月の末日
3 本人の誕生日以後最初に到来する賃金締切日
4 定年に達した年の12月末日
5  定年に達した後に到来する3月末日


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