目次解雇をめぐる知識と実務>解雇とは

第12章 解雇をめぐる知識と実務

 解雇とは,使用者の一方的な意思によって,労働契約の効力を将来に向かって終了させる行為をいいます。したがって,労使の合意による労働契約の終了(合意解約),労働者の自発的な申出による退職(任意退職),一定の工事が完了するまで雇用するといった期間の定めのある期間満了による労働契約の終了,定年による退職などとは異なります。
 解雇と退職との区別を,労働契約終了事由の種類からみると,図表1のとおりです。
 解雇の法律上の性質は,民法上にいう雇用契約の解約と同じですが,民法では対等な立場での解約を規定したもので,これを経済的優位 な立場にある使用者の一方的な意思による解約と経済的弱者である労働者の意思による解約にそのまま適用すると,労働者にとっては酷な結果 となります。そこで,労基法や労働契約法などの労働法上では,労働者保護の観点から,解雇に対しては特別の規制を行っています。つまり,解雇については労働契約法の規定が適用され,労働者からの労働契約の解約については民法の適用を受けます。
 したがって, 使用者の行う解雇は, 法令, 労働協約, 就業規則などによってさまざまな制限を受けており, これらの違反をしないという前提のもとに認められているにすぎず, 次のような解雇は制約されています。
@ 差別待遇になる場合の解雇
A 業務上の負傷・疾病による療養期間およびその後30日間
B 産前産後の休業期間中およびその後30日間
C 解雇30日前の予告または30日分の平均賃金の支払いがない場合の解雇
D 不当労働行為による解雇
E 解雇同意条項を無視した解雇
F 合理的な理由が存在しない解雇
   
図表1 労働契約終了事由別にみた解雇と退職の区分
 
区  分 種    類 内      容
解  雇 普 通 解 雇 やむを得ない事由の発生による使用者側からする労働契約の解約
懲 戒 解 雇 懲戒処分としての労働契約の一方的解約
整 理 解 雇 やむを得ない人員整理の必要性に基づく労働契約の解約
更新期間契約の
更 新 拒 否
事実上の期間の定めのない契約の準用とその解約
本 採 用 拒 否 試用期間中の留保解約権の行使
採用内定取消し 就労前のやむを得ない事由による労働契約の解約
休職期間満了に
よ る 解 雇
約定によるやむを得ない事由の発生による解約
定 年 解 雇 定年到来を原因とする労働契約の解約
退  職 合 意 退 職 労働契約の合意解約
無 断 退 職 労働者からする労働契約の一方的な解約
契 約 期 間 満 了 契約期限の到来による契約の解約
休職期間満了に
よる自動退職
約定契約終了条件の成就と期限の到来による契約の解約
行方不明期間経過
による自動退職
約定契約終了条件の成就と期限の到来による契約の解約
定 年 退 職 終期の到来による契約の解約
死 亡 退 職 法定終了による契約の解約
 
 
 


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