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| 〈労災・雇保編〉 III そのつど行う事務 |
| 1 会社設立時および任意加入時の事務
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| (1) 労働保険の当然適用事業になったとき | ||||||||||||||||||||||||||
| 労働者を1人でも雇って事業を開始したときは,原則として労災・雇保へ強制的に加入させられることになっています(これを「当然適用事業」といいます。労災・雇保への加入が任意とされる「任意適用事業」となるのは,農林水産業の一部だけです)。 | ||||||||||||||||||||||||||
| 当然適用事業では,事業を開始した日に保険関係が成立することになっています。つまり,その事業が一元適用事業であるときは,事業開始日に労災保険および雇用保険にかかる保険関係が成立し,二元適用事業であるときは,事業開始日に労災保険または雇用保険にかかる保険関係が成立することになります。 | ||||||||||||||||||||||||||
| しかし,当然適用事業に自動的に保険関係が成立するとはいっても,労働保険料の納付や保険給付の請求などを行うためには,保険者へ届け出て,保険関係が成立したことを確認しておかなければなりません。そこで,事業主には,保険関係が成立したことの届出をする義務が課せられています。 | ||||||||||||||||||||||||||
| 届出の手続としては,当然適用事業になった日(事業を開始した日)の翌日から10日以内に,「労働保険保険関係成立届」を所轄の労働基準監督署,公共職業安定所へ提出します。 | ||||||||||||||||||||||||||
| また,労働保険料は前納することになっていますから,当然適用事業になった日から50日以内に,「労働保険概算保険料申告書」に納付すべき保険料を添えて,日本銀行の歳入代理店(ほとんどの銀行),郵便局または所轄の労働基準監督署へ提出し,概算保険料の申告と納付を行わなければなりません。 | ||||||||||||||||||||||||||
| 「労働保険保険関係成立届」は,労災・雇保の当然適用事業で一方の保険のみ加入していたものが他方の保険に加入する場合や,他の都道府県から転入した場合にも,提出することになっています。 | ||||||||||||||||||||||||||
| 記入のし方は記載例1のとおりですが,注意すべき事項を簡単に説明しておきましょう。 | ||||||||||||||||||||||||||
| ・「 |
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| 保険関係が成立した事業の所在地,名称,郵便番号,電話番号を記入します。 | ||||||||||||||||||||||||||
| ・「 |
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| その事業に適用される保険料率に関係するので,製造工程,作業内容,製品名等の事業内容を具体的に記入します。 | ||||||||||||||||||||||||||
| ・「 |
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| 図表1の労災保険率表の分類に従って,該当する事業の種類を記入します。 | ||||||||||||||||||||||||||
| ・「 |
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| すでに労災保険か雇用保険に加入している場合に,いずれかを○で囲みます。 | ||||||||||||||||||||||||||
| ・「 |
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| 新たに事業を開始した日など労災保険,雇用保険の適用事業となった年月日を記入します。 | ||||||||||||||||||||||||||
| ・「 |
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| 「一般・短期」欄には,その保険年度における1ヵ月平均の雇用保険被保険者数(一般被保険者,高年齢継続被保険者および短期雇用特例被保険者の合計数)を記入します。「日雇」欄には,日雇労働被保険者数を記入します。 | ||||||||||||||||||||||||||
| ・「 |
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| 保険関係が成立した日から保険年度末(3月31日)までの期間に使用する労働者に支払う賃金総額の見込額(1,000円未満は切捨て)を記入します。支給予定の賞与等,日雇いや臨時雇いの労働者に支払う賃金等も加えて計算します。 | ||||||||||||||||||||||||||
| ・「 |
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| 労働保険事務組合に労働保険事務を委託している場合に記入します。 | ||||||||||||||||||||||||||
| ・「 |
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| 事業主の住所(主たる事務所の所在地),名称,氏名(代表者の氏名),郵便番号,電話番号を記入します。 | ||||||||||||||||||||||||||
| ・「 |
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| ・「 |
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| その保険年度における1日平均使用労働者の見込数(小数点以下は切捨て)を記入します。 | ||||||||||||||||||||||||||
| ・「 |
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| ・「 |
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| 雇用保険被保険者のうち,高年齢労働者数を記入します。 | ||||||||||||||||||||||||||
| ・「 |
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| 個別加入から委託へ移行,委託替え,委託から個別加入へ移行の場合に,元の労働保険番号を記入します。 | ||||||||||||||||||||||||||
| この保険関係成立届は,3枚複写になっており,1枚目が労働基準監督署への提出用,2枚目が事業主控,3枚目が後で雇用保険の適用申請を行う際に必要な公共職業安定所への提出用です。3枚とも労働基準監督署へ提出しますが,事業主控と公共職業安定所提出用は,受付印が押され,労働保険番号が付記されて事業主に返戻されます。この労働保険番号は,以後の手続を行う際に必要ですので,事業主控はきちんと保管しておかなければなりません。 | ||||||||||||||||||||||||||
| 「労働保険概算保険料申告書」の記入のし方は記載例2のとおりですが,注意すべき事項を簡単に説明しておきましょう。 | ||||||||||||||||||||||||||
| ・「 |
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| 保険関係成立届で示された労働保険番号を記入します。 | ||||||||||||||||||||||||||
| ・「概算保険料/算定期間」欄 | ||||||||||||||||||||||||||
| 保険関係成立の年月日を左側に記入し,右側には保険年度末の3月31日と記入します。 | ||||||||||||||||||||||||||
| ・「 |
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| 保険関係成立の日から保険年度末までの期間内に支払う賃金総額の見込額(1,000円未満は切捨て)を記入します。賃金総額の見込額の計算は,「1ヵ月当りの賃金総額×月数+賞与等臨時給与の額」の方法で行い,臨時・日雇労働者に支払う見込賃金も加えます。 | ||||||||||||||||||||||||||
| なお,一元適用事業で労災保険,雇用保険の両方の保険関係が成立している場合で,労働者の中に雇用保険の適用を受けない者(学生アルバイト等)を使用するため,同一の賃金総額により一般保険料を計算することが困難な場合および労災保険,雇用保険のいずれか一方のみが成立している場合には,(イ)欄には記入せず,労災保険の保険関係に係る賃金総額を(ロ)欄に,雇用保険の保険関係に係る賃金総額を(ハ)欄にそれぞれ記入します。 | ||||||||||||||||||||||||||
| また,雇用保険の保険関係に係る賃金総額を記入する場合,免除対象高年齢労働者分(当年4月1日現在,満64歳以上の労働者であって,任意加入による高年齢継続被保険者,短期雇用特例被保険者および日雇労働被保険者以外の者に支払う賃金の見込額)があるときは,該当する金額を(ニ)欄に記入し,「(ハ)−(ニ)」の額を(ホ)欄に記入します。 | ||||||||||||||||||||||||||
| 上記以外の事業の場合((ロ)の額と(ホ)の額が同じ場合)には,賃金総額の見込額を(イ)欄のみに記入します。 | ||||||||||||||||||||||||||
| ・「 |
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| 労災保険,雇用保険の両方の保険関係が成立していて, |
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| 一方,賃金総額の見込額を労災保険分と雇用保険分に分け, |
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| 図表2 特掲事業の雇用保険率 | ||||||||||||||||||||||||||
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| ・「 |
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| ・「 |
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| 納付すべき概算保険料の額が40万円(労災保険または雇用保険のどちらか一方の場合は20万円)以上であれば,延納(分割納付)することができます。 | ||||||||||||||||||||||||||
| 延納を申請する場合には,保険関係成立の日が4月1日から5月31日までのときは「3」,6月1日から9月30日までのときは「2」と記入します(保険関係成立の日が10月1日以後のときは延納できません)。延納を申請しないときは「1」と記入します。 | ||||||||||||||||||||||||||
| ・「 |
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| 概算保険料を延納しないときは,概算保険料額( |
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| 延納するときは,概算保険料額を納付回数で除して得た額(1円または2円の端数については第1期分に加算)を(イ)欄,(ホ)欄,(チ)欄に記入します(納付回数が2回のときは(チ)欄は空欄になります)。 | ||||||||||||||||||||||||||
| なお,(ニ)欄には,(イ)欄の額を転記します。 | ||||||||||||||||||||||||||
| ・「 |
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| 新たに事業を開始した日など労災保険,雇用保険の適用事業となった年月日を記入します。 | ||||||||||||||||||||||||||
| ・「 |
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| 労災保険率表(図表1)の分類に従って記入することになっていますが,できるだけ事業の内容を具体的に記入するようにします。 | ||||||||||||||||||||||||||
| ・「 |
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| 労災保険と雇用保険の両方に加入しているときは(イ)と(ロ)を,労災保険のみのときは(イ)を,雇用保険のみのときは(ロ)を○で囲みます。 | ||||||||||||||||||||||||||
| ・「 |
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| 図表2に掲げる特掲事業に該当するときは(イ)を,該当しないときは(ロ)を○で囲みます。 | ||||||||||||||||||||||||||
| ・「 |
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| 保険関係が成立した事業の所在地,名称を記入します。 | ||||||||||||||||||||||||||
| ・「事業主」欄 | ||||||||||||||||||||||||||
| 事業主の住所(主たる事務所の所在地),名称,氏名(代表者の氏名),郵便番号,電話番号を記入します。 | ||||||||||||||||||||||||||
| ・納付書 (領収済通知書) の 「労働保険料」 「納付額」 欄 | ||||||||||||||||||||||||||
| 労働保険料欄には 「 |
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| 保険関係成立届や概算保険料申告書のほかに,事業開始時などに提出が求められる書類等には,次のようなものがあります。 | ||||||||||||||||||||||||||
| 法人事業所の場合は法人登記簿謄本,個人事業所の場合は事業主の住民票が必要です。これらは,保険関係成立届を労働基準監督署に提出するとき,公共職業安定所に提出するときのいずれの場合にも必要です。 | ||||||||||||||||||||||||||
| なお,事務所や工場を借りて事業を行っているときには,賃貸契約書も添付しなければなりません。 | ||||||||||||||||||||||||||
| 雇用保険の適用事業となったときは,「雇用保険適用事業所設置届」を公共職業安定所へ提出しなければなりません。通常,この適用事業所設置届は,公共職業安定所に保険関係成立届を提出する際に添付します。 | ||||||||||||||||||||||||||
| 適用事業所設置届の記入上の注意点を簡単に説明しましょう(記載例3参照)。 | ||||||||||||||||||||||||||
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| カタカナで読みやすいように適宜区分して,枠内に記入します(濁点や半濁点は1文字として扱います)。 | ||||||||||||||||||||||||||
| ・「 |
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| 事業所の所在地のうち, |
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| ・「 |
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| 新たに労災保険または雇用保険の適用事業となった年月日を記入します。年・月・日が1桁のときは,10の位に当たる箇所に「0」をつけ加えて2桁になるようにします。 | ||||||||||||||||||||||||||
| ・「 |
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| 雇用保険被保険者のうち,一般被保険者と短期雇用特例被保険者の合計数を「一般」欄に,日雇労働被保険者数を「日雇」欄に記入します。 | ||||||||||||||||||||||||||
| ・「 |
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| 加入している社会保険の該当するものを○で囲みます。 なお,適用事業所設置届を提出すると,公共職業安定所から事業所番号が付与されます。この事業所番号は,労働保険番号とは別個のもので,以後,雇用保険の被保険者に関する届出に用いるものですから,正確に記録しておかなければなりません。 | ||||||||||||||||||||||||||
| 雇用保険の適用を受ける労働者がいるときは,「雇用保険被保険者資格取得届」を適用事業所設置届とともに,公共職業安定所へ提出します。また,以前に雇用保険に加入していた人については,雇用保険被保険者証を添付する必要があります。 | ||||||||||||||||||||||||||
| 雇用保険の適用事業所設置届や被保険者資格取得届を公共職業安定所に提出する際には,労働者名簿,出勤簿(タイムカード),賃金台帳などの添付が求められます。 | ||||||||||||||||||||||||||
| 当然適用事業の事業主が労災保険への加入手続を怠っていた期間中に発生した労災事故に関しては, 被災労働者には通常どおりの保険給付が行われますが,
その保険給付に要した費用に相当する金額の全部または一部が事業主から徴収されます。 これは 「費用徴収制度」 といい, 未手続事業主の注意を喚起し,
労災保険の適用促進を図ることを目的に設けられた制度です。 かつての費用徴収制度は, 加入手続について行政機関から指導等を受けたにもかかわらず, 事業主がこれを行わない期間中に労災事故が発生した場合, 「故意または重大な過失により手続を行わないもの」 と認定して, 事故に係る保険給付額の40%相当額を徴収するというものでした。 しかし, 平成17年11月1日からはこの制度が強化され, 次のような取扱いになっています。 (1) 保険給付額の全額が徴収されるケース 労災保険の加入手続について行政機関から指導等を受けたにもかかわらず, 手続を行わない期間中に業務災害や通勤災害が発生した場合には, 事業主が 「故意」 に手続を行わないものと認定し, 支給された保険給付額の100%を徴収します。 (2) 保険給付額の40%が徴収されるケース 労災保険の加入手続について行政機関から指導等を受けてはいないものの, 労災保険の適用事業となったときから1年を経過して, なお手続を行わない期間中に業務災害や通勤災害が発生した場合には, 事業主が 「重大な過失」 により手続を行わないものと認定し, 支給された保険給付額の40%を徴収します。 費用徴収の対象となるのは, 休業 (補償) 給付, 障害 (補償) 給付, 傷病 (補償) 給付, 遺族 (補償) 給付および葬祭料 (葬祭給付) です。 |
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