国民健康保険は,被用者保険に加入していない一般地域住民を対象とした医療保険制度です。民間のサラリーマンやOLなどが加入する健康保険と並んで,わが国の医療保険制度の大きな柱であるといえます。 |
| 国民健康保険の事業を運営している保険者は,市町村(特別 区を含む)と国民健康保険組合です。国民健康保険組合は,市町村が行う保険事業に支障がない場合に限って設立が認められるもので,同種の事業または業務に従事する300人以上の人で組織されます。設立業種の主なものには,医師,歯科医師,薬剤師,助産師,弁護士,食品販売業,土木建築業,理容美容業,浴場業などがあります。 |
市町村が行う国民健康保険の被保険者となるのは, 健康保険,船員保険,共済組合などの被保険者とその家族, 生活保護を受けている世帯,などを除いて,その市町村に住所がある人です。一方,国民健康保険組合の被保険者は,組合員とその扶養家族です。 |
| 国民健康保険の保険料(税)の額は,市町村ごとにその実情に応じて決められることになっており,通常は加入世帯ごとに,所得割,資産割,被保険者均等割,世帯別平等割を組み合わせて得た額が賦課されます。しかし,1世帯当り年間の最高限度額が定められている一方で,一定基準以下の所得しかない世帯には,被保険者均等割額と世帯別平等割額が減額されます。 |
| 保険料(税)の納付回数は,市町村によってまちまちですが,保険者から通知される「納入告知書」などによって,世帯主が指定の納期までに市区役所または町村役場へ納めることになっています。 |
| 保険給付の概要は,次のとおりです。 |
| (1) | 療養の給付 |
| | 病気やケガをしたとき,国民健康保険の被保険者は,保険医療機関(健康保険と同じ)の窓口に「国民健康保険被保険者証」を提示することにより,健康保険と同様に,診察,治療,薬の支給,入院などの医療を受けることができます。入院時食事療養費,特定療養費,訪問看護療養費も,健康保険と同様に支給されます。 |
| | なお,療養の給付における一部負担金の額は,世帯主・家族とも,医療費の3割です。ただし,保険者によっては,一部負担の割合を引き下げているところもあります。 |
| (2) | 療養費の支給 |
| | 緊急その他やむを得ない理由で,保険医療機関以外で診療を受けたときには,健康保険と同様に,療養費が支給されます。 |
| | また,保険料を滞納している世帯主には被保険者証を返還させ,代りに「被保険者資格証明書」を交付することになっていますが,この取扱いを受ける世帯の被保険者については,療養の給付に代わって療養費が支給されます。 |
| (3) | 高額療養費の支給 |
| | 健康保険と同様に,自己負担額が一定額を超えたときは,高額療養費の支給を受けることができます。支給基準や支給方法についても,健康保険の場合と同じです。 |
| (4) | 移送費の支給 |
| | 緊急時に必要があって移送された場合には,健康保険と同じように,移送費が支給されます。 |
| (5) | 出産育児一時金の支給 |
| | 被保険者がお産をしたときは,市町村が条例で定めている場合には,出産育児一時金が支給されます。支給額は,市町村によって異なります。 |
| (6) | 葬祭費の支給 |
| | 被保険者が死亡したときは,市町村が条例で定めている場合には,葬祭を行う人に対して葬祭費が支給されます。支給額は,市町村によって異なります。 |