| (1)保険料のしくみと計算 |
| 健保・厚年の保険料の額は,それぞれの被保険者の標準報酬月額に一定の保険料率を掛けて得た額となっています。 |
標準報酬とは |
| 標準報酬は,健保・厚年の保険料の額や年金など保険給付の額を計算する場合に基礎となるものです。 |
| 本来,保険料の額を計算したり,保険給付の額を決定するには,被保険者の実際の収入を基礎とするのが最もよいのですが,被保険者1人ひとりの収入はその額も支払形態も千差万別なものであるだけに,毎月の保険料計算や保険給付の事務処理に大変な手間がかかります。そこで,あらかじめいくつかに区分した仮の報酬の枠をつくり,被保険者が実際に受ける報酬がこの枠のいずれかに当てはまるように定めて,事務の簡素化を図っているのです。 |
| この仮の報酬のことを「標準報酬」と呼んでおり,原則として1年間は固定することになっています。 |
| 標準報酬の決定は,被保険者の報酬(給料など)をもとにして行われます。すなわち,報酬の1ヵ月当りの額(報酬月額)を算出し,その額を標準報酬月額表に当てはめて決定するわけです。 |
| 標準報酬は,健康保険では平成19年4月より月額最低5万8,000円から最高121万円までの47等級に,厚生年金保険では平成12年10月より月額最低9万8,000円から最高62万円までの30等級に区分されています(図表1参照)。 |
| なお,標準報酬月額を決める基礎となる報酬は,金銭で支給されるものだけでなく,現物であっても労務の対償として支払われるものは含まれます。 |
保険料率 |
| 保険料は,標準報酬月額に保険料率を掛けて計算し,原則として事業主と被保険者が折半して負担します。 |
政府管掌健康保険の一般保険料率は, 総報酬制の採用により, 平成15年4月から82/1,000と定められています。
この保険料率は, おおむね5年間を通じて財政の均衡を保てるものでなければならないとされており, この基準に適合しているかどうかを少なくとも2年ごとに確認することになっています。
その結果, 財政の均衡がとれないことが明らかになったときは, 厚生労働大臣が社会保障審議会の議を経て, 一般保険料率を66/1,000〜91/1,000の範囲で改定できることになっています。
なお, 新たな高齢者医療制度が設けられたのに伴い, 平成20年4月から一般保険料率は, 基本保険料率 (加入者に対する医療給付, 保健事業に充当するためのもの)
と特定保険料率 (後期高齢者支援金, 前期高齢者納付金, 退職者給付拠出金, 病床転換支援金に充当するためのもの) の合算となっています。
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| 一方,組合管掌健康保険の保険料率は,標準報酬月額の30/1,000から95/1,000までの範囲内で,その健康保険組合の実情に応じて決めることが許されています。また,事業主と被保険者との負担割合についても,その健康保険組合の実情によって決めることができます。ただし,被保険者の負担割合は,事業主より多くすることは認められず,標準報酬月額の45/1,000を超えてはならないとされています。 |
| また,平成12年4月からは,40歳以上65歳未満の健康保険の被保険者,被扶養者については,介護保険の第2号被保険者として介護保険料を納める対象になりました(ただし,被扶養者の個別の負担はありません)。介護保険の保険料率は,平成20年3月より11.3/1,000となっており,40歳に達した日(誕生日の前日)の属する月から健康保険の一般保険料に上乗せして納めます。したがって,政府管掌健康保険の場合,合計の保険料率は93.3/1,000となります。 |
厚生年金保険の保険料率は, 平成20年9月から平成21年8月までは153.5/1,000 (坑内員・船員は162/1,000) と定められています。
保険料率については, 平成16年の年金改正により, 持続可能な制度の構築と信頼の確保を目指した給付と負担の見直しが行われ, 平成16年10月から毎年3.54/1,000(坑内員・船員は2.48/1,000)
ずつ段階的に引き上げ, 平成29年9月以降183/1,000で固定する 「保険料水準固定方式」 がとられています (図表2参照)。
なお, 厚生年金基金の適用事業所の被保険者 (基金加入員) は, 基金に納める分だけ国 (厚生年金保険) に納める保険料が免除されます。
この免除保険料率の範囲は,24/1,000〜50/1,000の27段階となっています。 |
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| 図表2 厚生年金保険の一般被保険者の保険料率 |
| 期 間 |
保 険 料 率 |
| 平成16年10月〜平成17年8月 |
1,000分の139.34 |
| 平成17年9月〜平成18年8月 |
1,000分の142.88 |
| 平成18年9月〜平成19年8月 |
1,000分の146.42 |
| 平成19年9月〜平成20年8月 |
1,000分の149.96 |
| 平成20年9月〜平成21年8月 |
1,000分の153.50 |
| 平成21年9月〜平成22年8月 |
1,000分の157.04 |
| 平成22年9月〜平成23年8月 |
1,000分の160.58 |
| 平成23年9月〜平成24年8月 |
1,000分の164.12 |
| 平成24年9月〜平成25年8月 |
1,000分の167.66 |
| 平成25年9月〜平成26年8月 |
1,000分の171.20 |
| 平成26年9月〜平成27年8月 |
1,000分の174.74 |
| 平成27年9月〜平成28年8月 |
1,000分の178.28 |
| 平成28年9月〜平成29年8月 |
1,000分の181.82 |
| 平成29年9月以後 |
1,000分の183.00 |
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保険料の計算 |
| 保険料は,暦月単位で計算されます。被保険者が資格を取得した月は,健保・厚年への加入期間がたとえ1日でも1ヵ月分の保険料が徴収されます。一方,被保険者資格を喪失した月(退職または死亡した日の翌日が属する月)については,保険料は徴収されません。 |
| また,被保険者資格を取得した月のうちに被保険者資格を喪失した場合(同月得喪)には,1ヵ月分の保険料が徴収されます。 |
| 同月得喪のあった月に再度被保険者資格を取得したときの保険料については,健康保険と厚生年金保険で取扱いが異なります。すなわち,厚生年金保険では再度被保険者の資格を取得した事業所でその月の保険料が徴収され,前の同月得喪にかかる保険料は徴収されませんが,健康保険では被保険者の資格を取得したつど保険料が徴収されます。 |
| 保険料の計算を行うのは,社会保険事務所です。 |